AIの専門家を育成する(AI Agents)
Chihoの「AI Agents」機能は、単なるプロンプト(AIへの指示文)のテンプレート機能ではありません。一言でいうと、あなたの会社に「AIの専門家チーム」を育成し、そのノウハウを組織全体の資産として管理するための機能です。
例えば、あなたの職場に「議事録をまとめるのが得意な佐藤さん」や「マーケティングのキャッチコピーを考えるのが上手な鈴木さん」がいるように、特定の業務に特化したAIの専門家をChihoの中に作り、名前をつけて管理することができます。

1. AIエージェント機能の主な役割とメリット
この機能は、AIへの指示を標準化し、チームの知識を組み込むことで、AIを単なる「便利な道具」から 「頼れる業務パートナー」 へと進化させるための中核機能です。
| メリット | 説明 |
|---|---|
| ① 品質の安定化 | 誰が使っても、専門家として教育されたAIが同じ品質で応答します。これにより、担当者による成果物のバラつき(属人性)をなくし、常に安定したアウトプットを得られます。 |
| ② ノウハウの資産化 | 優れたプロンプトや知識の組み合わせを「AIエージェント」としてチームで共有・改善していくことで、AI活用のノウハウが個人のものではなく、組織全体の資産として蓄積されます。 |
| ③ ワークフローとの連携 | 作成した複数のAIエージェントをリレーのように連携させる「AIワークフロー」を構築することで、より複雑な業務も自動化・効率化できます。(詳細はStep12で解説) |
| ④ 最適なAIの選択 | エージェントごとに、Claude、GPT、Geminiといった最適なAIモデル(LLM)を割り当てたり、後から変更したりすることが可能です。 |
2. AIエージェントの作成手順
それでは、実際に「チャットルーム名を考えてくれる専門家AI」を作成してみましょう。
Step 1: 新規エージェントの作成を開始する
サイドメニューの「AI Agents」から 「+New Agent」 をクリックします。

Step 2: AIエージェントの設計図(設定)を入力する
AIにどのような専門家になってほしいか、詳細な指示を与えていきます。

| 番号 | 項目 | 設定内容の例 | 説明 |
|---|---|---|---|
| ① | Name | チャットルーム名ジェネレーター | AIエージェントの分かりやすい名前をつけます。 |
| ⑧ | System Prompt | プロのチャットルーム名ジェネレーターとして機能します... | AIの役割や人格を定義する基本的な指示です。「あなたは〇〇です」といった形で設定します。 |
| ⑨ | User Prompt | 提供された内容に基づいてチャットルーム名を作成してください... | AIに具体的に実行してほしい作業を指示します。出力形式の指定などもここで行います。 |
| ⑩ | Documents | +Add Document | AIに事前に学習させたい社内マニュアルや参考資料などを知識として与えることができます。 |
| ⑥ | AI Model | Default | タスクの内容に応じて、最適なAIモデル(GPT-4o, Claude 3 Opusなど)を選択します。 |
| ⑦ | AI Tools | Web Search | 最新の外部情報が必要な場合に、Web検索機能を有効にします。 |
すべての設定が完了したら、「Create AI Agent」 で保存します。
3. 作成したAIエージェントを使ってみる
Step 1: AIエージェントを起動する
作成したAIエージェントの 「▶︎」 ボタンをクリックして起動します。

Step 2: 指示を与えて生成する
- ① AIエージェントが選択されていることを確認します。
- ④ ドキュメントをアタッチし、チャットルーム名のヒントとなる情報を与えます。
- ⑤ 「▶︎」 ボタンで生成を開始します。

Step 3: 結果を確認する
設定した指示通りに、チャットルーム名を一つ生成してくれました。

【応用】 指示(プロンプト)を少し変更するだけで、アウトプットを柔軟に変えることができます。例えば、「ランダムで10個生成」と指示を変えると、結果も10個になります。
まとめ:エース社員のノウハウを、誰もが使える資産へ
「営業資料作成エージェント」「プログラム設計エージェント」「新人向けQA対応エージェント」といったように、業務ごとに専門家AIエージェントを作成し、それぞれに必要な知識(ドキュメント)を教え込むことができます。
これにより、これまでエース社員の頭の中にしかなかった暗黙知を、誰もが利用できる形式知としてシステムに登録・管理できるようになります。
様々なAIエージェントを作成・育成することで、あらゆる業務シーンに対応でき、組織全体の生産性を大きく向上させることが可能です。
